現在、国立がん研究センター中央病院にて行っている、切除不能肉腫の患者さんにも治療選択肢を増やす可能性がある治験情報です。

 

国立がん研究センター中央病院の希少がんセンターが取り組んでいる、MASTER KEYプロジェクトというレジストリ研究があり、その一環で、「ALK遺伝子異常を有する希少がんに対するアレクチニブの医師主導治験」を実施しております。

 

ご存知の通り、肉腫の中でも炎症性筋線維芽細胞腫(IMT)は約半数でALK融合遺伝子を有すると報告されており、さらに他の肉腫でもALK異常が検出されていると報告があります。

ALK異常の肺がんに対するアレクチニブ(ALK阻害剤)の有効性は非常に高く、ALK異常を有する他のがん種でもその効果を発揮できると考えています。

 

この治験を通して、将来は臓器横断的にALK異常を有するがん種にアレクチニブが使えるようになることを期待しています。

 

つきましては、貴院でALK遺伝子異常陽性の肉腫(特にIMT)患者さんがいらっしゃいましたら是非、ご紹介ください。

 

まずは【こちらのメール】までご一報いただければと思いますが、治験への参加の可能性が高い場合は、国立がん研究センター中央病院 希少がんセンター/乳腺・腫瘍内科までご紹介ください。

 

また、この治験内で、改めて次世代シークエンサー(NGS)を用いたスクリーニング検査で、ALKの遺伝子異常を確認します。その際、他の遺伝子異常も明らかにすることができるため、患者さんが無料でNGS検査を実施できるメリットもあります。

 

●主な適格規準:

①ALK遺伝子異常がん種の希少組織亜型

 ※ALK融合遺伝子・ALK活性型変異・ALKコピー数増加

②再発・転移性

③2歳以上

④PS 0-1

⑤治験に適切な臓器機能

⑥ALK阻害剤が過去に投与されていない

①の適格性を確認するためには、治験内でFoundationOne(NGS)検査のスクリーニング検査を行います。

他院で別途NGS検査を行って、ALK遺伝子異常が判明した患者さんも適格となります。

 

●治験詳細情報(JMACCT):https://dbcentre3.jmacct.med.or.jp/JMACTR/App/JMACTRE02_04/JMACTRE02_04.aspx?kbn=3&seqno=8259